スマートフォンやタブレットが世界で30億台以上も使われていて、ペンで何かを記録する機会がほとんど無くなってしまったこの時代に、高いものだと1本10万円以上するモンブランの万年筆の売り上げが伸びているそうです。

ペンなんて買おうと思えば100円以下で買えますし、むしろ文字を書くだけならば100円のペンで十分ではないでしょうか?しかし、興味深いことに世界を見渡してみれば、元アメリカ大統領のジョン・F・ケネディ、バラク・オバマ、そして俳優のジョニー・デップなどモンブランの万年筆を愛用している著名人は挙げればキリがありません。

 

どうして多くの著名人たちが万年筆に大金をかけるのでしょうか?モンブラン社のCEOであるイエンツ・コッホ氏は、その理由を次のように述べています。

 

「モンブランの万年筆は持ち続けていても決して時代遅れにならないのです。なぜなら、それは単なる『書く』という実用性を超えた価値を持っているからだと言えるでしょう。」

 

イエンツ・コッホ氏が言うように、おそらく物の価値というのは、実用性を超えたところに生まれるんでしょうね。モンブランの万年筆においては、独特のペン先を作るために35もの生産ステップが存在し、さらに熟練の職人がペン先の僅かな音の差異を聞き分けながら調節を加えるなど、多大な時間と労力をかけて作られています。こうした徹底的なこだわりと上質な作りが、「書く」以上の価値を感じさせるのでしょう。

 

では具体的に、「書く」以上の価値とはいったい何なのでしょか。

 

 

「こだわりの一品」を持とう

今も昔も、こだわりの一品とは日常生活の中でさりげなく登場する日用品を指すことが少なくありません。日用品は、生活する上で機能すれば問題ない、と考える人がほとんどですよね?しかしそれはつまり、ほとんどの人が日用品に対して、機能性以上の価値を見出しておらず、無頓着であると言えます。

 

だからこそ、普段の生活の中ではあまり見向きもされない日用品にまでこだわることは、自身が細部にまで目の行き届いた生活をしていることを示すことになります。他にも、こだわりの品は、相手とのコミュニケーションを円滑にする役割も果たしてくれます。

 

なぜなら、実はある研究で「自分自身の持ち物によって、相手とのコミュニケーションの質が変わってくること」が判明したのです。例えば、お医者さんをイメージすると分かりやすいかもしれません。相手が白衣を着て聴診器を持った医者である時と、手ぶらで私服を着ている時とでは、前者の方が信頼して相談できますよね?

 

これはどうやら、人間の脳が受け取り処理する情報のうち、目で見たものが93%を占め、耳で聞いたものがたった7%しかないことが理由のようなのです。人は相手の人間性や言葉を脳で受け取る前に、その人の持ち物や身なりを見て信頼できる人かどうかを判断します。中身を評価してもらうためにも、自分がどんな人なのかを表現できる持ち物を持つことが何よりも重要だと言え、その役割を果たすのが今回のようなモンブランの万年筆なのでしょう。

 

ある意味、あなたの持ち物は、相手とあなたの内面をつなげる架け橋のような役割を持っていると言えます。このように考えると、コミュニケーションが仕事の大半を占めるアメリカの大統領や有名俳優たちが、モンブランの万年筆を愛用するのは納得できますね。

 

そう考えれば考えるほど、私たちもペンや仕事道具などの日用品は、ちょっと背伸びをしてでも、こだわりの上質な一品を選ぶことは重要といえます。

 

「持ち物」は口ほどに物を言うのですから。