「一人ひとりを活かす」というアミークスの在り方は、多種多様の植物がランダムに植えられた中庭を見るだけでも感じることができます。同種をきれいに植えると見栄えはよくなる一方、外敵の多い環境では生き延びることができなくなってしまう。個性がバラバラであることは、自然の摂理としても正しいと言えます。後篇では、そのような個性豊かな児童の母親ふたりを安居学園長がインタビューします。

>>【前編】アミークス国際学園 安居長敏学園長インタビューを読む

安居長敏(以下、安居)変化の激しい社会において、母親として考えていることはありますか?

山本玲(以下、山本) いまは興味があってもっと知りたいと思ったり、やり方がわからないときに、なんでもYouTubeで調べることができます。そうなると、学校に行く意味ってなんだろう、と私自身も考えこんでしまったんですね。デジタルで何でも自分で手に入れられる時代だからこそ、リアルの世界で挑戦して失敗して、自分の経験値を上げていくことが大切なのかなと、最近は考えています。

原嶋裕美(以下、原嶋) 私は東京郊外の中高一貫校に通っていました。大学までの付属校なので、そのまま進学すれば、ある程度名の知れた会社に入れるだろうとわかっていたし、両親もそれを勧めていました。
しかし、いざ自分が子どもを持ったとき、「自分と同じ道を通らせたくはないな」と感じたんです。というのも、「もっとあれもこれもやってみたかった」という後悔の気持ちがあったから。その上で、夫婦として子どもに与えたいと思ったものが、英語だった。時間をかけなければ習得できないし、将来子どもにとっての財産になるかなと思い、アミークスに通わせようと決心しました。

安居 アミークスの保護者の皆さんは、学校を探す熱意がすごい。10名の保護者さんがいたら10通りの理由があって、アミークスへお子さんを預けてくださっていると思います。おふたりはどのような思いでアミークスを選んでくださったんでしょうか。

山本 うちの場合は息子が2歳のときに東京から沖縄に移住してまして、アミークスは息子の希望で入りました。
東京にいたころは、子どもを希望の幼稚園に入れるために、入園の前の年から何度も説明会に参加することが普通。世間では少子化と言われますが、学区内の幼稚園には入れないことも珍しくありません。何かアピールになることを身につけないといけないと、公文をやらせてみたこともあります。周囲のレベルに置いていかれないように、と必死でした。
ただ、2011年3月11日の東日本大震災で大きく変わったんです。「日本はどうなってしまうんだろう」と思いました。海外の友人たちは英語で流通する情報をもとに「アメリカでは、東京が大変なことになると言っているよ」と言う。私は日本語しかわからないので、日本のニュースを見て「大丈夫だよ」と答えるのですが、「そんなわけはない、こんなに危険だと書かれている」と……。
それでいろいろと悩んで、東京を出ることにしたんです。私は、東京生まれ東京育ちで、沖縄にゆかりはありません。それでも、どうしてもここを出なければと思いました。いままで当たり前だと思っていた価値観が急に崩れ去ったけれど、周囲の意見よりも自分の考えを大事にしようと思ったんです。

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