パラレルキャリアを実践する人の実態を調査

働き方改革が進む今、多様なワークスタイルに注目が集まっています。中でも、本業を持ちながら第二のキャリアを築く「パラレルキャリア」「複業」に従事する人が増えているのです。パラレルキャリアと言われて、みなさんは、どんな働き方か想像できますか?

LIBERTY GRAPH編集部(以下、LG編集部)ではパラレルキャリアの実態を徹底解明するべくアンケート調査を実施しました。アンケートに答えてくれたのは、実際に従事している人(パラレルワーカー)と、複業・副業を認めている企業の人事担当者です。

全4回にわたって、パラレルキャリアのリアルに迫る「パラレルキャリア考察」をお届けします。第1回目となる今回は、パラレルワーカー100名に聞いた「パラレルキャリアの実態」をご紹介します。

意外と多いきっかけは趣味!?

副収入を得るための「副業」とは違い、「複業・パラレルキャリア」は並行して複数の異なる仕事に従事する働き方を意味しています。その実態を明らかにするために、まずはパラレルキャリアを始めたきっかけを聞いてみました。

身近な人、たとえば同じ会社で働く先輩の口利きや模倣などからパラレルワーカーになった人が多いのでは!?それがLG編集部の仮説でした。しかし、調査の結果からまるで見当違いだったことが発覚…。


▲ 83%もの人が身近な先輩などを働き方のロールモデルとしては捉えていないという結果に!

多くのパラレルワーカーが「自分で試行錯誤している」「自分自身で築き上げるもの」など、先輩に頼ることなく自ら主体的にキャリアを育てる意識を備えていることが明らかになりました。

キャリアデザインに意欲的な姿勢は、回答のスコアにも色濃く現れています。半数近くの人が「収入増をめざした」を、26%の人が「キャリアアップ、スキルアップ」を意識して、パラレルキャリア・複業を実践。収入源の分散で報酬を増やす。1つの職だけでは得られない能力を磨く。こうした取り組みは大企業の倒産も珍しくない昨今の経済状況ではリスクヘッジにもつながるはずです。

また、おもしろいのは「趣味の活動が発展した」と回答した人が29%もいたこと!平日は会社員、休日は趣味のピアノを子供たちに教える。たとえば、そんな時間の有効活用により、趣味や特技の延長線上で人の役に立ったり、ライフワークを確立したりできる。それも、パラレルキャリアの魅力かもしれません。

メリットは収入増だけじゃない

では、パラレルキャリア・複業による変化をパラレルワーカーはどう捉えているのでしょうか?

前問の回答からの自然な流れとして、「収入が増えた」が一番多く、「スキルアップ」が三番目に多いというスコアに。一方で、二番目に多かったのは「人脈が増えた」で39%。複業をすることで本業では出会えない人たちと巡り会える可能性があります。それは、確かになかなか得難いメリットですよね。

また、「本業にスキルや人脈を還元できた」と5人に1人の方が答えていることにも注目。本業への効果について、パラレルワーカーが具体的にどう考えているのかを聞いてみました。

▲ 相乗効果があると答えた人は、なんと78%!

具体的にどんなことが本業に役立っているのか理由を尋ねると、やはり「スキル」や「人脈」と答える方は少なくありませんでした。しかし、実は最も多かったのは「他業種から新しいアイデアを吸収できる」「本業に対しての気づきがある」「物の見方が変わる」「社会を理解できる」といった世界観や見識の変化が本業に活かされているということ!

次いで、「やる気がでる」「刺激を得られる」「労働意欲やリフレッシュにつながる」のように、本業に以前よりも前向きに取り組める効果を挙げる意見が多く見られました。また、複数の仕事に取り組むことで、以前よりも「タイムマネジメント能力が上がった」と実利的な答えも。

生産性や業務効率の向上といった本業に直結する効果だけでなく、自分自身の成長そのものが、本業に役立っている。そうした手ごたえ、自信を持てるパラレルワーカーがけっして少なくないことはちょっと驚きですよね。

パラレルキャリアウーマン急増中!?

続いて、女性とパラレルキャリア・複業の関係について聞きました。

▲ 「パラレルキャリアは女性にとって有効なキャリアデザインだと考える」と答える人は71%という高い数値に!

その理由は大きく3つの内容にわかれています。まず、男女問わずにパラレルキャリアが有効だと考える人たち。「男女平等にチャンスがある」「誰もが選択肢を増やせる」「性別問わず、キャリアの可能性、人生の幅が広がる」といった回答です。キャリアデザインを主体的に考え、どんな企業でも職種でも役職でも、転職が不思議ではない時代の流れを感じます。

次に挙がったのは、女性ならではのライフステージの変化を意識した人たち。「結婚、出産、子育てなどの人生のステージに合わせられる」「出産や育児などで会社を離れたとしても、収入を得られることがある」という前向きな意見もあれば、「結婚、出産、育児などで今のキャリアがゼロになる可能性もある」というリスクを想定した意見もありました。いずれにせよ、ライフステージがキャリアに影響を与える可能性を考慮するべきだというのは共通しています。

そして、最後が女性特有の柔らかさ・しなやかさなどの素地を意識した人たちです。「女性は浅く広く社交的に、多くの人の意見を素直に受け入れて視野を広げやすい」「女性にしか発想できない事柄もある」といった意見です。本業とは異なる経験、出会いを通じて、女性ならではの資質にさらなる磨きをかける。そのきっかけに、パラレルキャリア・複業が有効というものです。「なるほど」と納得する方も多い意見ではないでしょうか。

今回はパラレルワーカー自身から見た「パラレルキャリアの実態」をご紹介しました。いかがでしたか?次回は、社員のキャリア開発にも深く携わる「人事担当者」に、パラレルキャリアをどう思うかを調査。自分らしいキャリアアップを模索している方、ぜひお楽しみに!