アンケート調査の相違点に着目!

パラレルキャリアの実態を徹底解明する「パラレルキャリア考察」。前回の記事は、人事自身がパラレルワーカーになるという選択肢をどう考えているのか、中途採用の評価ポイントは何なのか、といった内容をお伝えしました。その最後を飾る第4回は、パラレルワーカー100名と人事担当者100名のデータの「ズレ」をご紹介します。

同じ質問なのに、なぜ答えが異なるのか。そうした「差異」にこそ、パラレルキャリア考察の醍醐味がつまっているのではないか!?LIBERTY GRAPH編集部(以下、LG編集部)の総力を挙げて、キャリアデザインに悩める女性のお役立ち情報をお届けします!

優秀な人の条件とは?

まず、これまでの記事のおさらいです。

多くのパラレルワーカーが収入増やスキルアップ、人脈の広がりなどを求め複業に従事し、自分自身の成長が本業での貢献度アップにつながっているという実感を持っています。(#01 私がパラレルワーカーになった理由

人事担当者は、9割がパラレルキャリアに賛成。本業ありきというスタンスの人も少なくない反面、実際に本業への相乗効果を実感している人もいました。さらに、人事が中途採用で重視するポイントはパラレルキャリアによってさらなる育成を望める能力ばかりであり、機会があれば自身もパラレルにチャレンジしたいという人事も少なくありません。(#02人事の本音 ~パラレルキャリアをどう思う?~

そして、パラレルワーカーも人事担当者も、その多くが女性のパラレルキャリアに賛同しています。人生を豊かにする選択肢として捉えているというのも見逃せないポイントでした。(#03人事の本音 ~パラレルワーカーになりたい?~

では、ここでLG編集部が興味深いと思ったデータをご紹介!従事者と人事、双方の100名に同じ質問をしています。

まずは、従事者のデータです。最も多い回答は「本業の業務に時間的に余裕のある社員」で40%。次いで「本業でも良い成績の社員」が36%、そして「社外のネットワークが豊富な社交的な社員」の31%という順番に

続いて、人事担当者の回答です。


最も多いのが「本業でも良い成績の社員」29%、同率で「社外のネットワークが豊富な社交的な社員」、次いで「本業の業務に時間的に余裕のある社員」で23%でした。

ベスト3位内は、順番は違っても、項目はまったく同じですね。従事者の最も多かった回答である「本業の業務に時間的に余裕のある社員」が自分自身を指しているのだとしたら、「時間があるからパラレルキャリアに従事している」と読み取れます。

パラレルキャリアを実践すると、当然ながら今以上に忙しくなります。タイムマネジメント能力だけでなく、過重労働で体調を崩さないように自己管理能力も求められますよね。

そう考えると、時間に余裕が持てる能力は、「成績が良い」「人的ネットワークが豊富」といった他の項目と同じように、優秀な人の条件として評価のニュアンスが含まれているのではないでしょうか。このデータの「差異」がそれを物語っているように感じませんか?

これからはパーソナルブランドの時代

ユニークな調査データがもうひとつあります。こちらも、パラレルワーカー、人事担当者それぞれ100名に問いかけた質問です。

どちらも半数以上の人が「個人のブランド化」の必要性を感じているというデータです。

モノがあふれ、技術が発達した今の時代、まったく独自の価値を持つ商品・サービスを提供することは、なかなか難しいですよね。似たような商品やサービスの中から何かを選ぶ。そのときお客様の選択基準となりえるのは、会社やサービスであり、究極的には社員一人ひとりのイメージ・印象なのではないでしょうか。

実は、そう思わされるようなデータがあります。パラレルワーカーの答えを職種別に見たものです。

90.9%という圧倒的に高いスコアを示したのは、会社経営(経営者・役員)!

新規顧客、既存の取引先、あるいは社員…。経営者や役員は常に自らの存在価値を証明することが求められ、同時にそれがよりよいビジネスに直結しているはずです。一個人から会社全体への影響を考え、自然にパーソナルブランドの必要性を感じているのではないでしょうか。

85.7%と高い数値を示している派遣社員・契約社員も、立場やゴールは違っても、常に自らの存在価値を意識している点では経営者と同じかもしれません。

こうした「個人のブランド化」は、自らを世間に認めさせることにつながり、所属している会社の強みにもなりえる。そんな考え方が当たり前になる時代が近づいているのかもしれません。

パラレルこそが女性のブランド化の近道!?

LG編集部がさらにユニークだと感じた「差異」があります。ブランド化が必要だと答えた人だけの回答です。

パーソナルブランドの必要性を感じているパラレルワーカー90.9%、人事担当者の86%が、女性にとってパラレルキャリアが有効と答えています!

パラレルキャリアは、女性のパーソナルブランド化に寄与する。このデータからそう読み取ることも不自然ではありませんよね。

ブランド化の理由としては、「年功序列・終身雇用が期待できない昨今、いかに自分を売り込めるかが社会で生き残る秘訣」「自己分析の下、キャリアパスを考える事が先決であり、その延長線で差別化ができ、ブランド化に繋がる」という回答をしてくれたパラレルワーカーもいました。

こうした考え方を女性のキャリアデザインに重ね合わせてみると…。自分をブランド化することは、周りと差をつけることであり、そのためにキャリアを複層化させるのは一つの近道になる。中でも、ライフステージの変化によって働き方やキャリアが影響を受けやすい女性にとっては、パラレルキャリアは自らの人生を確立する有効な手段になりえる。データを読み解いていくと、そうした結論にたどり着くことは不自然ではないと思いませんか?

今回は、パラレルワーカーと人事担当者のデータの比較、差異からこれからの女性の働き方を考えました。パラレルキャリア考察は、今回で終了です。いかがでしたでしょうか?これらの記事の内容が、キャリアデザインを主体的に考える皆さまのお役に立てることを願っています。