都会で働き田舎で暮らす人のリアルを調査しました

みなさんは会社までの通勤にどのくらいの時間をかけていますか?会社から近い人もいれば、遠い人もいますよね。今はテクノロジーの発達により働く場所に縛られずに仕事ができる時代になりつつあります。働き方改革は在宅勤務やフレックスタイムなどの制度の充実にもつながっていますよね。だからこそ、職場と家が遠い「職住分離」を選ぶ人が増えているかも…。

そう考えたLIBERTY GRAPH編集部(以下、LG編集部)は「職住分離」の実態を徹底解明するべくアンケート調査を実施しました。質問に答えてくれたのは、都市部に勤め、都市部以外(他の都道府県)に暮らす「職住分離」を実践するキャリアウーマン100名です。

どんな人が、どのように、職住分離を実践しているのか。都市部で暮らすのと何が大きく変わるのか。「なぜ、都会で働き、田舎に暮らすのか。」では、前編・後編と全2回にわたって、「職住分離のリアル」に迫ります。

職住分離ってなに?

職住分離と呼ばれる働き方・住まい方は、大きく4つの種類があります。①働き始めてから田舎に移住する②都会と地方の二拠点で生活する③遠方での長期休暇中にその地からリモートワークで仕事に従事する「ワーケーション」。これは、ワークとバケーションの合成語で、旅をしながら出勤扱いとなる企業もあります。④都市部ではない地元で育ち、その地で暮らしながら都市部で働く――

まず、最初に調査したのは、この質問です。


「田舎移住45%」、次いで「二拠点居住29%」、「ワーケーションを活用したことがある14%」という結果に!

田舎移住の中には、「茨城県の神栖市から渋谷区(IT・通信系)」「静岡県沼津市から中央区(メーカー系)」「千葉県勝浦市から神奈川県相模原市(専門コンサル系)」などへ勤めている人がいました。そして、この回答者の全員が週5日以上で出社して働いています。毎日、通うことを考えると、なかなか大変な距離ですよね。

二拠点居住の実践者は、就業地がやはり通えない距離の人たちでした。「浜松市だけど、就業地は名古屋市(IT・通信系)」はまだしも、「名古屋市だけど、就業地は港区(不動産・建設系)」「杉並区だけど、就業地は新潟市(メーカー系)」とエリアが全く違うため、就業地にも居住空間を設けています。

新しい働き方である「ワーケーション」、その活用者が意外と多いことに驚きませんか?たとえば、「住まいは新宿区、休暇先の大阪市で就業(サービス系)」している人がいました。

ちなみに「その他」に該当している人を例に出すと、「週1日出社(IT・通信系)」「二週に一回出社(マスコミ系)」といった「在宅勤務」の人や、「リモートワーク(テレワーク)」により「週3日出社している人(マスコミ系)」でした。

職住分離はもう特別ではない?

では、どんな人が職住分離を実践しているのでしょうか?みなさんは、特別な仕事や一部の役職者の特権とか思っていませんか?


最も多いのは「会社勤務(一般社員)65%」、次いで「会社勤務(管理職)11%」、そして「派遣社員・契約社員9%」という順番に!

圧倒的に一般社員が多いことがわかりました。さらに、こんな質問を聞いてみました。


週5日出社が65%、次いで週6日出社が9%という結果に!

一般社員で、週5日出社が多い。こうした事実から遠距離通勤、職住分離はけっして特別なものではないと言えるのではないでしょうか。

また、意外と多かったのが「週3日出社する8%」です。この回答者が職住分離を選んだ理由は「プライベートを重視したい(その他)」「子供ができた(サービス系)」「結婚を期に、支社のないエリアに引っ越した(IT・通信系)」など千差万別でした。

しかし、週3日出勤のために「子育て支援」「介護支援」「時短、フレックス」など、会社の支援制度を利用している方も!働き方改革は、やっぱり遠距離通勤の支援にもつながっているのでしょうね。

職住分離を選んだ理由は?

先ほどの週3日出勤の人たちの回答から、もしかして職住分離を実践しやすいサポートや制度などが多くの企業で充実しているのかも!?そう思い、こんな質問をしてみました。

会社の支援制度を利用していないが92%!明らかになったのは、就業地から離れて暮らすことに対し、まだまだ企業側の支援制度は追いついていないという事実です。アンケート回答者の多くは自主的にそうした働き方・暮らし方を実践していることになります…。想像しただけで大変そうですよね?

だからこそ、こんな質問を聞いてみました。

最も多かったのは「5年以上」です。その理由を聞いてみたところ、ポジティブな意見とネガティブな意見がはっきりとわかれました。

ポジティブな理由で多いのは「生活は自然があるところがいい」「都会は騒々しくて住みにくい」「仕事と分離することにより、リフレッシュできる」といったもの。主体的にそうしたライフスタイルを手に入れたという意見ですね。ネガティブな理由で多かったのは「しかたなく」という内容でした。「住宅費が安い」「親の介護」「お金がなく」といったものです。

次いで多かった「1年未満」についても理由を聞いてみました。こちらは「住みやすさ」「子供ができた」「メリハリをつけたい」といった「前向き」な理由が多かったのが印象的でした。たまたま1年未満に実施した人が前向きなのか、長く職住分離をしているうちにネガティブな側面を強く感じるようになるのか…。その判断は難しいところですね。

職住分離と仕事の意外な関係とは!?

続いて、職住分離と仕事の関係について聞きました。

職住分離前に比べて、職住分離後のほうが生産性が上がったと答える人が多い!その理由について聞いてみると…。

「業務に集中できるようになった」「切り替えができる」「育児をしながら効率よく仕事ができる」など、「メリハリがついた」という回答に集約される意見が多く見られました。中には「すぐに(職場に)駆け付けられない距離だと、その意識から効率を上げられる」という意見も!また、「気持ちにゆとりができた」「リフレッシュできる」といった意見も少なくありませんでした。物理的な距離が心理的なゆとりにつながっていることが明らかになりました。

さらに、こんな質問を聞いてみました。

不便さを感じていない人のほうが多いことが判明!その理由は「気楽でいい」「通勤は大変だが、気分転換に良い」「自然が豊かで子育てもしやすい」といった効果を感じている声が少なくありません。中には「チャットツールを利用しているので、仕事上の不便はない」という人もいました。

一方で、不便さを感じている人は、どんな意見なのでしょう。圧倒的に多いのは交通の問題です。「通勤が大変」「クルマがないと困る」「移動時間がもったいない」などなど…。「同僚とのコミュニケーションが取りづらい」「周りとの距離感がつかみづらい」といった仕事仲間との関係性に悩んでいる人もいます。

また、「緊急の時など、すぐに職場へ出向けない」「都会での開催が多いイベントなどに参加できない」といった不便を感じている人も…。交通の問題以外は、実際に体験してみないとわからない苦労ですよね。もし職住分離を実践するのなら、こうした不便についても事前に理解した上で検討するべきでしょう。

今回は職住分離を実践している人の調査データを中心に「職住分離の実態」をご紹介しました。いかがでしたか?次回は、同じキャリアウーマン100名のフリーアンサーや意見を中心に、実践者にしかわからないメリット・デメリットをご紹介します。田舎移住に憧れている方、ライフステージの変化について考えている方、ぜひお楽しみに!

>>[後篇] 体験者が語る職住分離のリアルを読む